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高速バスへの規制、本当に正しいのか?


 昨年の関越自動車道のバス事故を受けて、国土交通省では、高速バスへの規制を強化している。

 昨年より検討会が行われ、今年の4月に「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」が発表された。

外部リンク国土交通省「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン


 これによると、次の大きな4つの柱で、今後、規制が強化されることになっている。

 1.新高速乗合バスへの移行・一本化
 2.貸切バスの安全性向上
  (1)参入時・参入後の安全性チェックの強化
  (2)全ての事業者での安全優先経営の徹底
  (3)ビジネス環境の適正化・改善

高速・貸切バスの安全・安心回復プラン

 その第一弾として、今月から「新高速乗合バスへの移行・一本化」がスタートし、高速ツアーバスが廃止となった。
 高速バス自体はなくなったわけではないが、バス会社は停留所の設置やバス6台以上の保有などが求められる。この結果、バス路線の廃止や高速バスからの撤退を行ったバス会社が出てきている。簡単に言えば、停留所設置などによりコストが上昇するため、採算がとれなくなるからだ。

外部リンク2013/08/02 読売新聞「高速ツアーバス、2社撤退」


 ただそれでも、高速乗合バスとして、高速バスを継続できている地域はまだいい。
 例えば、鳥取県では、今回の規制により、鳥取―東京間の高速バス路線がなくなってしまった。

外部リンク2013/08/02 日本海新聞「「乗り合い」で鳥取経由外す 出雲-東京高速バス


 私は、安全性というものは重要だと考えている。しかし、このように地域と首都圏をつないでいる公共交通がなくなるのは、行き過ぎだとも思っている。

 そもそも、停留所の設置の有無やバス保有台数と、安全性にどのような関係があるのか、理解できない。例えば、バスの台数についてコストをかけるのならば、むしろ安全性にお金をかけてほしいものだ。

 検討会の経緯などを追っていないので、詳細については知らないが、直観的には、高速バスに関して、高速ツアーバスと高速乗合バスという2つの制度があり、(安全性に関して本質的ではないにもかかわらず)この制度の二重性が問題視されたのだろう。そして、高速乗合バスという制度に合わせたため、このような停留所の設置などといった規制強化になったと思われる。

 これにより結局、地域の小さなバス会社などは高速バス事業から撤退するしかなく、利するのは大手のバス会社などになるだろう。そして、その影響は、上記のようにバス路線廃止という地域の人の足を奪うことになるだけだ。

 安全性は重要であるが、真に安全性に資するものについては規制をかけ、逆にそれ以外については規制強化はやめたほうがいいと思う。








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