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シカやイノシシの利用。うまくいっているのだろうか?


 全国各地で、シカやイノシシの農林被害が広がっている。そこで、シカやイノシシ対策が行われているが、狩猟したシカやイノシシの肉を利用しようという動きが出てきている。
 例えば、今日のニュースで、岡山県美作市で、「鹿肉カレー」の販売をスタートしたそうだ。

外部リンク2013/08/01 山陽新聞「「鹿肉カレー」味わって 美作・愛の村パークで販売」


 この取り組みはこれからだが、どうも他の地域の例を見ると、本当にうまくいっているのだろうかという気がしてくる。
 そしてそこには、たぶん販売展開に問題があるのかもしれない。

 そもそも、シカやイノシシの肉はあまりなじみがない。そのため、おいしいのだろうか、固くないのだろうか、臭みはないのだろうかなど、様々な懸念が出てくる。
 実際、このような農林被害対策として焼肉にされたシカを食べたことがあるが、美味しかったように記憶している。しかし、食として文化がないと、抵抗感は非常に大きい。まずは、この部分を消費者から取り除かない限り、うまくいかないだろう。

 ただ、シカにしても、イノシシにしても、日本人として全く食文化がなかったわけではない。シカは「もみじ鍋」、イノシシは「ぼたん鍋」として、日本人に食べられてきた。むしろ牛肉などよりも、これらの肉のほうが、古くから日本人は食べてきたのかもしれない。

 この点で、現在のシカ肉やイノシシ肉の利用方法・提供方法は、間違っているのかもしれない。

 「もみじ鍋」や「ぼたん鍋」は食べたことがなくても、日本人ならば聞いたことはあるだろう。まずは、このなじみのある「もみじ鍋」「ぼたん鍋」として提供すべきではないかと思う。
 こうすれば、心理的な不安は少なくなり、むしろ伝統的な料理として提供できる。これを、カレーなどで行ってしまうと、珍しさはあるとはいえ、どうしてもなじみのない料理という形になってしまう。特に、「鹿肉カレー」といってしまうと、鹿肉がクローズアップされてしまう。消費者に食材としてなじみが出てきた段階では問題ないが、現時点では、このアピールはマイナスになっているように思える。

 また、「もみじ鍋」や「ぼたん鍋」という言い方は、肉食を禁じられた僧侶の隠語だったそうだが、風流さを感じさせる名前でもある。「シカ鍋」「イノシシ鍋」という言い方は、直截的ではあるが、味の奥深さは感じにくい。

 いろいろなところで、農林被害対策の産物として、シカ肉やイノシシ肉の利用が検討されており、現在の食生活に合わせて、受け入れやすいように思えるカレー、ステーキ、焼き肉などの利用が多いように思える。

 これはこれで全面的に否定するつもりはないが、食材としてなじみがなくなった現在では、カレー・ステーキなどはかえってハードルが高い。「もみじ鍋」や「ぼたん鍋」といった、なじみのある食文化・歴史があるのだから、まずはその文化・歴史を活用したほうが、受け入れやすいのではないだろうか。そして食材として、ある程度、認知された時点で、カレー・ステーキなどの展開を図ったほうがいいように思える。








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