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日銀総裁によると、消費増税はあまり影響がないそうだ…、ほんとに?


日銀総裁の意見

 日銀総裁が、東京都内の講演で、「消費税率の2段階引き上げで日本経済の成長が大きく損なわれることにならない」と発言したそうだ。
 何となく言いたいことは分かるが、本当にそうなのかと思ってしまう。

外部リンク2013/07/29 共同通信「日銀総裁、消費増税は影響限定的 政府に財政再建求める」


ポイント

 そもそも、アベノミクスによる景気回復が言われているが、その一部分は野田政権のおかげでもある。
 なぜならば、来年の消費増税が決まったことにより、駆け込み需要が生じるからだ。様々なシンクタンクにより推計がなされているが、駆け込み需要だけで、今年度は0.7~0.8%程度の成長率増加が見込まれている。

 住宅市場ではすでに駆け込み需要が生じているし、今後は生活用品などでも駆け込み需要が出てくるだろう。その意味で、今年度の下半期は景気の上昇が見込めるに違いない。

 しかし、駆け込み需要が生じる以上、来年度は需要が落ち込む。
 ここでポイントは、2015年10月にも税率アップが予定されており、2段階引き上げということで、来年度も駆け込み需要が生じるだろうから、その影響は小さいということなのだろう。


来年度への影響

 ただ、次のような点で、来年度の経済への影響は必至である。

 1つは、税率アップが大きいほど、駆け込み需要も大きくなる。2013年度から2014年度は3%の引き上げ(5%から8%)で、2014年度から2015年度は2%の引き上げ(8%から10%)となっている。そのため当然、来年度の駆け込み需要の額は、本年度よりも小さくなるだろう。

 2つは、税率アップした分、経済成長がなければ、可処分所得も少なくなってしまうため、駆け込み需要に使えるお金も少なくなる。

 3つは、駆け込み需要の内容を考えても、駆け込み需要の大きな要素としては、住宅など投資財である。投資財は食料品などと異なり腐らないため、最も駆け込み需要が生じるのは、本年度であり、来年度の駆け込み需要は限定的になるだろう。

 4つは、更に2段階目の増税は2015年10月からであるため、生活用品などの駆け込み需要は、2015年度の上半期に生じることが考えらえる。

 すなわち、来年度も駆け込み需要が見込まれるといっても、来年度の駆け込み需要は本年度よりも小さく、実際に生じたとしても再来年度になるだろう。結局、来年度の経済に対して、増税はマイナス影響は生じることになる。


再来年度以降への影響

 2015年度は10月から増税となり、駆け込み需要効果もなくなってしまう。投資財関係の買い替え需要は物によるが、2年程度では生じない。本年度、買い替えを行ったとすると、2015年度にはまだ投資の回復は期待できないことになる。この結果、2015年度以降も、マイナスの影響はあるに違いない。


結局は…

 2段階で増税したとしても、消費増税により、本年度は需要の先食いを行っていることには変わりない。
 どんな方法をとろうが、増税は経済にとっては、マイナスなのである。








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