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職員採用し、後継者を確保


 栃木県小山市で、結城紬の後継者不足から、「紬織士」として職員採用し、技術を学んでもらい、指導者として育成するという。

2013/07/13 下野新聞「「紬織士」の募集開始 後継者確保へ小山市」


 普通の中小企業でも後継者がいないという話をよく聞くが、厳しい経済状況で伝統工芸の後継者不足というのは、更に深刻だ。特に、伝統工芸では技術が命である。しかし、この技術の継承ができなければ、伝統工芸自体その地域から失われてしまう。
 そこで今回、小山市では後継者確保の切り札として、職員採用を決めたのだろう。

 この点については、賛否両論があると思う。

 上記のように、ここまでしなければ技術は継承できず、産地から伝統工芸自体が失われてしまう。技術はいったん失われると復活は難しいことから、現在技術があるうちに、このような措置を通じて、維持を図ることが重要である。

 しかし、どんな企業・産業・技術でも、必要がなければ、なくなってしまうものだ。それを税金を使ってまで、維持する必要があるのかという問題がある。伝統工芸として考えれば特別なもののように思えるが、一つの産業・企業として考えれば、このような特別扱いは問題だろう。
 どうしても伝統工芸というと、個人や数人でやっているように思ってしまうが、従業員数百人以上の企業もある。漆器などはプラスチックに漆を塗ったものもあり、むしろプラスチック製造業といった趣きが強い場合もある。このように考えると、単純に伝統工芸だからという理由で、保護する必要性はないとも思う。

 ただむしろ、私がポイントとして思うのは、技術の維持に留まっている点である。残念ながら、マーケットを確保できなければ、紬織士となった公務員はやっていけるが、それ以外の拡大は見込めない。
 技術を維持するという点は重要だが、もう一輪として、マーケット面の強化が必要だろう。

 「伝統工芸のゆくえ」でも述べたが、技術を生かしながら、現在のニーズに合った新たな伝統工芸の在り方の模索が必要だ。
 「伝統は革新の連続である」という言葉があるが、技術だけでなく、マーケット面も考慮に入れながら、技術を維持していくような仕組みを考えていく必要がある。








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