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規制強化によるアベノミクス


 アベノミクスのポイントの一つは、投資の促進にある。
 ただ、投資はもたらしそうだが、古くからの旅館などで大きな影響がありそうな法律の改正がある。5月に成立した「改正耐震改修促進法」だ。
 耐震の基準が代わり、1981年6月1日以前に建てられた、約5,000㎡以上の不特定多数の人が利用する大規模な建物について、耐震診断が求められるようになり、一部の観光地の旅館などで問題となっている。

外部リンク2013/06/05 朝日新聞「耐震促進法で「旅館廃業も」 温泉地が配慮要望」


 一つのポイントは、耐震診断だけで数百万円以上かかるという点だ。多くの旅館・ホテルは、経営的に厳しい状態にあり、その費用負担だけでも、たいへんである。
 もう一つのポイントは、その結果が公表されるという点だ。公表されるとなると、悪い結果が出たら、悪評を避け、耐震工事や建て替えを行うだろう。当然ながら、その費用の負担が生じる。耐震診断でも数百万円かかるが、建て替えとなると数百万円では済むはずがない。
 また、1980年といえば、短いもので30年弱しか経過していない。通常、鉄筋コンクリートの建物の減価償却の期間は50年となっているように、長期の使用を想定している。(途中に大規模改修などを行う場合があるが)それが30年ぐらいで、大きな改修・建て替えが求められる形となった。

 アベノミクスといえば、(実現できるか否かを抜きにして)規制緩和といったイメージがある。ゴールとしては投資の促進にもつながるため、いいのだろうが、途中経過・手法という面で、規制緩和とは逆のことが行われている。すなわち、耐震の名のもとに、規制が強化されている面もあるのだ。

 宿泊客の安全性を考えると、東日本大震災もあり、このような基準の強化は重要である。
 しかし、地域の旅館・ホテルのことを考えると、簡単に応じることはできないだろう。

 規制強化でアベノミクスの目的の一つである投資促進につながる面はあるだろうが、地域の旅館・ホテルにおいては、廃業に追い込まれたり、(大規模な団体客が減少しているため)規模の小さな施設への建て替えが行われるなど、地域の宿泊業のリストラが進むかもしれない。








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