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日本酒離れ、当然の帰結なのだろう。


 群馬県の老舗蔵元が相次いで廃業したというニュースが目に入った。
 悲しいことだが、日本酒の消費は減っていると言われるし、時代の流れともいえよう。

外部リンク上毛新聞 2013/06/12「老舗蔵元 相次ぎ廃業 日本酒離れ、厳しい経営


 そこで改めて、お酒の消費について調べてみた。

 右図(上)は、日本酒(清酒及び合成清酒)の販売(消費)数量である。

 一目瞭然だが、右肩下がりで落ち込んでおり、最盛期の半分以下の数量となっている。この点を見る限り、日本人の日本酒離れが進んでいると言えよう。

 また、若者のアルコール離れが言われて久しいが、酒類全体についても、販売(消費)数量を見たのが、右図(下)である。平成8年に最高値を記録したが、その後は減少傾向を示している。この点でも、日本人はお酒を飲まなくなってきているのかもしれない。

 これらをまとめると、日本人はお酒を飲まなくなってきており、その中でも日本酒離れが進んでいるといえる。

日本酒の販売(消費)数量

日本酒の販売(消費)数量


酒類の販売(消費)数量

酒類の販売(消費)数量

 しかしこれは本当なのかとも思ってしまう。
 むしろ、日本酒離れというよりは、様々なお酒が出てきただけのような気がする。1990年代以降、人口増加が鈍化する中、人間の胃袋・肝臓には限界があることを考えると、様々な種類のお酒が増えれば、当然、日本酒の消費は減少する。日本酒が嫌いになったというよりは、胃袋・肝臓という制約の中、他のお酒を飲む機会が増えたというだけの話である。

 これをよく表しているのは、リキュールである。右図は、リキュールの販売(消費)数量であるが、見事に右肩上がりである。リキュールといえば、カクテルなどを見たらわかるように、日本酒に比べれば遥かに多様である。
 つまり、日本酒離れが進んだというよりは、様々なお酒を飲むことが多くなり、多様化しただけなのだろう。そして、日本酒離れも当然の帰結と言わざるを得ない。
リキュールの販売(消費)数量

リキュールの販売(消費)数量

 違う観点でいえば、昔は、アルコールといえば、日本酒・ビール・ウイスキーなどの限られた競争相手の中で、競争してきたから、成立していた市場に過ぎないのかもしれない。お酒を飲みたいと思ったとき、日本酒しかなければ、日本酒を飲むしかないのである。

 むしろ、アルコール市場というものを考えると、かつての独占・寡占的な状態から、真に競争的な環境になったともいえる。日本酒しかなかった時代から、日本酒以外にも様々なアルコールがある中で、いかに日本酒を愛してもらうかという時代になったのだろう。

 そしてこれは、日本酒だけの問題ではない。米や魚も同様である。米離れや魚離れが言われるが、米や魚が嫌いになったわけではない。胃袋に限界がある中、他にも食べる食品の種類が増えただけである。穀物といえば米、タンパク質といえば魚という時代から、他にも食べるものが多くなっただけだ。

 これらのものは、市場が大きく減少する中で、もう一度、原点に戻ってもいいのだろう。
 すなわち、日本人だから米・魚・日本酒を食したり、飲んだりするわけではない。他の食品に比べて、これらの食品が美味しいから、好きだから、消費されるのである。








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