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体験移住よりも別荘レンタルのほうがいいのでは?


北海道の定住促進事業

 人口減少に悩む地方では、どこの自治体でも、定住促進・移住支援などの事業を行っている。
 北海道でも、首都圏等の団塊の世代をターゲットとして、道内市町村などから構成される北海道移住促進協議会という機関が「北海道生活体験「ちょっと暮らし」」という事業で、体験移住を図っている。そして、この体験移住が人気が出ているそうだ。

 利用者は昨年より30%増えて、滞在日数も伸びているようだ。最終的に定住につながるかは別として、事業としてはうまくいっており、関係する職員にとっては、喜ばしい話だろう。

北海道移住促進協議会「生活体験ちょっと暮らし」HP

北海道移住促進協議会「生活体験ちょっと暮らし」

外部リンク北海道新聞 2013/5/29 「道内体験移住人気です 12年度、利用30%増 平均滞在 初の30日超え」

 ただこれを考えると、定住促進よりも、短中期滞在型の別荘などとしてレンタルしたほうがいいのではないだろうか。


類似の施設

 短中期滞在型の施設として考えられるのは、別荘とウィークリーマンションである。

 別荘・セカンドハウスなどは、夏場など一時的に利用される施設であるが、あくまでも持ち家である。そのため、資産家など富裕層でしか、利用はできない。また持ち家ではなく、ホテルや旅館の1室を買うという手もあるが、別荘などと同様に富裕層向けである。

 ウィークリーマンションでも、短中期滞在が可能であるが、基本的にはビジネスマンなど向けで、都市型の施設である。短中期とはいえ、生活することを考えると、周辺にスーパーや飲食店などが必要であり、鉄道など移動手段のインフラも整っていなければ成立しない。

 勿論、ホテルや旅館に短中期滞在することも考えられるが、どうしても高額になってしまう。

 このように、現在の短中期滞在型の施設は、中所得者向けでなかったり、地方・田舎向けではない。しかし上記のように、ニーズがあるのならば、付帯サービスを付け加えて、むしろ別荘として施設をレンタルすることが考えられる。


効果

 このように期限付きの別荘としてレンタルすることで、定住促進という目的ではなくなるが、幾つかの利点がある。

 1つは、旅館・ホテルなどの事業を考えた場合、経営上、何よりも重要なのが、稼働率である。地方の空き家などを利用していたとしても、維持管理などが必要であり、日々コストは発生している。そこで、コスト回収・利益確保を図るため、いかに稼働率をあげるかがポイントであり、このように期限付きのレンタルという形にすることで、稼働率向上が見られる。

 2つは、稼働率向上に関連して、職員の意識が変わることが期待できる。定住促進が目的であれば、体験移住が行われるか否かは重要であるが、稼働率という観点は乏しい。極端な話、体験移住などが行われなくても、定住する人が増えればいいのである。しかし、別荘をレンタルするという形であれば、当然ながら稼働率という観点は必要になり、職員の経営マインドは向上する。

 3つは、高齢者をターゲットとして考えた場合、定住促進はハードルが高い。現在の家やマンションを処分して、新たな家に引っ越すことになるが、通常でもなかなか難しい中、高齢者となると一層たいへんになる。また、子どもなどの家族の反対もあるだろう。しかし、一時的なものならば、ハードルは低くなるため、ターゲットも広がる。

 4つは、定住促進を目的としていなくても、中長期的には定住促進につながる可能性が大きい。何度も同じところに滞在することで、その土地に親しみを持ち、知り合いも増えたりするだろうから、定住したいという人も出てくるだろう。

 この他、高齢者の定住となると、自治体にとっては税収は少なく保険負担などは多くなってしまうが、あくまでも一時滞在ならば、このような問題は生じないという面もある。


最後に

 たぶん、北海道のこの事業も実際は、定住促進というよりは、短中期的の滞在事業として、機能しているのだろう。
 しかし、定住促進ではなく別荘のレンタルという形で、目的を変えることで、上記のように、現在の仕組みでは得られない効果もあると思われる。

 これは北海道だけではなく、他の地域でもニーズはあると思われるので、様々な地域で検討してもいいかもしれない。







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