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神奈川県の企業税敗訴。地方には課税自主権はない!


 神奈川県で導入されていた企業税が、最高裁で敗訴し、企業税自体が無効になった。

 この裁判について簡単に説明すると、地方税ではそもそも、過去に赤字があった場合、税金を支払わなくていいという制度(繰延欠損)がある。しかし神奈川県の企業税は、過去に赤字があっても、当年度黒字になれば、課税するというものだ。そこで、裁判の論点としては、地方税法で、上記のような税金の免除制度があるのに、神奈川県がその免除制度を無視するような税金をとっていいのかという点である。

 高裁では、それぞれは違う税金だからいいじゃないという判決だったが、今度の最高裁判決では、地方税法の制度を無視・邪魔するものだとして、違法・無効判決となった。

 これについては法理論的には正しいと思う。なぜなら、この判決の根本には、地方税という国のルールのほうが偉く、条例という地方のルールは下だという憲法上の制約があるからだ。

 ただ、国と地方の関係など、行政の在り方やシステム論という観点では、誤った判決だと思う。

 1つは、この企業税は、地方分権の中で創設された法定外目的税として設けられたものである。この点で、地方が自主的に税金を決めることができるという制度が設けられたにもかかわらず、それにノーという判決は、地方分権の観点を考えると、齟齬を来している。
 2つは、そもそも地方税法というものがあること自体がおかしいと思う。自治体は行政サービスを提供し、その対価として税金を徴収している。しかし、自らその税金について決めることができないのは、非常におかしな話である。
 3つは、税金について訴訟上、二元的になっているということだ。税金がおかしいとして、国税も地方税も裁判の対象となる。しかし、地方税の場合、税金そのものに対する訴訟リスクに加え、法律と条例との関係においてもリスクが生じる。

 これらのことを考えると、地方が課税自主権をもつには、まだまだ先のようだ。








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