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TPPによって影響を受けるのは、片手間農家だ。


TPPによる農林水産物への影響の試算

 TPPに関する論議が盛り上がっている。賛成だ、反対だなど、様々な意見が出ている。私としては、現状TPPがどのような分野に及び、どのような条件になるかなど、不明確な面があり、何とも言えない状態である。
 ただ、平成25年3月15日に出された「農林水産物への影響試算の計算方法について」を見ると、面白いことが分かる。

 右の図は、上記の「農林水産物への影響試算の計算方法について」から抜粋したグラフである。
 総額では農林水産物の生産額が3兆円減少し、その内訳として、米がトップで34%、2位が豚肉で15%、3位が牛肉で12%となっている。畜産業への影響がかなりあることは痛いが、トップである米については、仕方がないと思っている。

 そもそも、米を作っている生産者の多くは、片手間農家だからだ。

農林水産物の生産減少額

農林水産物の生産減少額


 右の図は、水稲と野菜を作っている農家について、専兼業農家の割合をグラフ化したものだ。
 詳細な農家の定義については、下の「農家の種類」を参考にしてほしいが、簡単に述べると、専業農家とは農業だけを行っている農家、兼業農家は農業以外にも仕事をしている農家である。更に第1種兼業農家は、農業以外にも仕事をしているが農業所得が中心の農家で、第2種兼業農家は、農業以外の仕事が所得の中心となっている農家である。

参考農家の種類
専兼業農家の割合(戸数ベース)

専兼業農家の割合(戸数ベース)


 データから明らかなのは、水稲では約6割が第2種兼業農家である。他方、同じ農家といっても、野菜では、第2種兼業農家は約4割にとどまっており、農業所得が所得の中心である第1種兼業農家と専業農家を加えると約6割に達する。これは、米づくりは野菜づくりに比べて、手間暇がかからず、兼業化が進んだ結果である。
 つまり、米作りにおいて、多くの農家は、農業以外に仕事を持っており、副業として農業をやっているというのが事実であり、片手間で農業をやっている農家が多いことを示している。


誰がTPPにより打撃を受けるのか

 そして、上記の試算で、TPPにより米の生産額は大きな打撃を受けるとされるが、最も影響を受けるのは、このような第2種兼業農家である。元来、零細で競争力も弱く、片手間で農業を行っているからである。小さなお店を片手間でやっていては、近くにスーパーマーケットができたら勝てるわけがない。
 勿論、専業農家などへの影響もあるだろう。ただ、大きな土地で栽培を行っている農家は専業農家が多く、独自の販売ルートをもっていたり、更に海外へ米を輸出しているような農家もいる。つまり、専業農家であれば、TPPに参加しても、「勝てる農業」が期待できる。

 このように、TPPの農業への影響といっても、片手間農家が打撃を受けるのだと思う。そしてそもそも、他のビジネスや産業で考えれば、片手間農家のような存在は、TPP参加の有無に関係なく淘汰される。しかし、このような片手間農家が存在していること自体が、農業の大きな問題であり、TPPとは無関係に、農業再生のために解決しなければならない問題だ。







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