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村社会は、ゲーム理論で説明がつく


 「村社会」という言葉には、閉鎖的で村内部の論理で、人間関係を結んでいるという意味合いがある。また、その逆の言葉として、「村はずれ」という言葉もあり、この村の論理に外れた行動を起こしたものは、村から追い出されるという意味である。
 そして、このような意味合いを含んでいるため、「村社会」は否定的にとらえられることが多い。

 しかし、「村社会」は合理的な帰結であり、条件さえそろえば、田舎でなくても、「村社会」は成立する。
 そこでなぜ、「村社会」ができるかを、ゲーム理論で考えてみたいと思う。

 まず、社会ができるか、できないかは、人々がルールに対して、協力するか否かにある。協力し合わなければ、ルールはできないし、その結果、社会も形成されない。そのため、社会においては、人々が協力し合うことが重要である。

 だが、人々が協力し合うことは、必ずしも合理的ではない。協力しないときに自分だけ利益が得られれば、協力ではなく、裏切りを選ぶ。更にいうならば、協力し合ったほうが得にも関わらず、個々人が自分の利益を追求した結果、協力したときの利益さえも得られなくなる状況もある。ゲーム理論でいう「囚人のジレンマ」である。これは、2人の囚人がともに黙秘をしたほうが得なのに、個人が合理的に行動した結果、自白してしまうというものである。

参考囚人のジレンマ

 つまり、個人が合理的に行動すると、社会は形成できない可能性がある。

 しかし、このような状態が将来の長い間にわたって続くことが予想されるときには、この囚人のジレンマは生じない。
 ゲーム理論のフォーク定理といわれるものだ。これは、囚人のジレンマにおいて、人間が辛抱強く、無限大にこの状況が続くときには、協力し合うことが選ばれるというものである。

 数学的な説明は置いておいて、直観的に説明すると、あるルールに対して、ある人が協力せず、違反したとしよう。そのことについて、その場で終るならば、違反したときのほうが得な場合もある。しかし、その後も関係が続くとすると、違反に対して、他の人はペナルティを与える続ける。その結果、違反者は違反による利益よりも、将来に当たって続くペナルティのほうが大きくなる。
 このため、あるルールに違反せず、協力することが、得であり、合理的な選択となる。

 そして、このフォークの定理がまさに示すのが、村社会である。
 村社会は長く同じ人が人間関係を結んでいる。そして、村のルールに従わなければ、「村はずれ」という大きなペナルティを受ける。つまり、村社会は、まさしく合理的な個人の行動の結果、生まれたものといっていいだろう。

 逆に言えば、フォーク(folk)とは、日本語でいえば、民俗などといった言葉で、このような村社会の状況を見て、フォーク定理という理論ができたのだろう。
 ただこれは本当の村社会だけではなく、長く人間関係が結ばれ、そのペナルティが大きいような社会は、「村社会」化するということも示唆している。







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