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PFIの誤解


PFIの誤解

PFIとは、民間の資金を活用して、公共サービスを提供するというものである。
 2000年代に入り、法律も整備され活発化したが、そもそもPFIは民活という流れの中の、ある種のブームだったのかもしれない。
 PFIを行えば、民間の活力や創意工夫が期待でき、コストも削減できるという幻想があった。しかし、現実を見れば、いくつかの点で誤解があったのだろう。

参考PFI

①民間の資金を利用できる
 PFIの大きなポイントは、民間の資金を利用できるということだ。民間の資金を使い、自治体はリース契約のように繰延払いで、公共サービスを提供できる。
 これは、財政難の自治体などにとっては、一気に資金を集めずに、繰延払いできるので、ありがたい仕組みである。反面、自ら資金を調達できるような自治体にとっては、民間の資金を利用しても意味がない。通常、民間企業よりも行政機関のほうが、倒産の可能性は低いため、自治体のほうが有利な条件で資金調達しやすい。また、公営企業などについて、地方公共団体金融機構から融資を受けたりもすることができる。逆に、PFIを行うと、国からの補助金が使えないなどの場合があり、PFIを断念した事例もある。

②民間の創意工夫が期待できる
 行政機関のほうが民間よりも優秀であるというのが誤りであるように、民間のほうが行政機関よりも素晴らしいことができるというのは、嘘である。民間企業が通常のビジネスを行うにあたって、(大企業などは別として)住民の理解や過剰なコンプライアンスなどが求められることはあまりない。いい商品・サービスでなければ買ってもらえないだけである。そのためある種、自由に創意工夫を行うことができる。しかし、PFIのように公共サービスとなると、民間企業が行っても、住民の理解やコンプライアンスが求められるため、創意工夫を発揮しにくくなる。
 また何より、PFIという制度を利用するから創意工夫が期待できるのではなく、そのような企画提案を受けるような仕組みを導入するか否かといった行政機関の発注方法の問題である。

③コスト削減ができる
 コスト削減のポイントは、3つある。
 一つ目は、②の民間の創意工夫という点である。創意工夫によりコスト削減ができるといわれるが、上記のほうにその保証はない。
 二つ目は、行政が何か行うと過剰スペックになっている面がある。簡単な例でいえば、民間ならば通常2回の検査について、行政では3回やっているといった話である。民間並みに回数を減らせば、当然コストは下がる。ただ社会インフラを担う行政機関がこういうことを安易にやっていいのかといった点については、論議があるだろう。逆に、行政並のスペックにすれば、コスト削減は期待できない。
 三つ目は、民間企業の社員と公務員の給料の差だ。PFIを受注するような企業は大きな企業が多く、その社員の給料と公務員の給料を比べると、民間企業のほうが給料は高くなるだろう。ただ、その下請けなどでは、公務員のほうが給料が高いため、人件費の削減につながり、コスト削減は期待できよう。
 つまり、コスト削減といっても明確なのは、人件費の差ぐらいである。逆に、PFIによりコスト削減ができたといわれる事例が多いが、その本質は、企画提案型の発注方法に変えたためという点が大きいだろう。


PFIの本質

 以上のように、PFIには誤解があった。
 とはいえ私は、PFIと呼べるものになるかどうかは別として、今後も重要だろうと思う。
 PFIの本質は、インフラ整備の民間開放である。港湾や空港などの社会インフラは行政機関が整備・運営するものだという認識を変え、民間もインフラをどんどん整備・運営していけばいいという視点である。現状は、PFIといっても、サービス購入型がほとんどで独立採算型があまりない状態である。独立採算で事業が進められれば、民間がどんどんインフラ整備に参入すればいい。思言えばかつて、鉄道などは民間がどんどんと整備していった。鉄道などだけでなく、他の分野も民間がインフラを整備していけばいい。
 そしてそのためには、規制緩和を行ったり、行政機関が資金を出すのではなく、民間の取組みを後押しするような仕組みが重要だと思う。








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