茨城県と千葉県の大きなジレンマについて、書きたいと思います。
実は、農業大県
茨城県と千葉県は、面白い都道府県です。
農業といえば、北海道のイメージが強いのですが、茨城県と千葉県も農業産出額の多い都道府県です。
下の円グラフは、平成23年の農業産出額の都道府県シェアです。

北海道が約12%と高いのですが、茨城県・鹿児島県・千葉県も約5%のシェアがあります。折れ線グラフのランキング推移でみても、北海道は不動の1位だが、これら三県は2位から4位の間で推移を続けています。
(ただ、鹿児島県は茨城県・千葉県と異なり、酪農による産出が高く、異なった構造となっている)
なぜ、茨城県や千葉県には、農業というイメージが少ないのでしょうか。
ここには、それなりの理由があります。
まず1つ目は、下のグラフから分かるように、茨城県や千葉県は北海道に比べれば、半分以下の産出額しかありません。このボリュームという点で、北海道に圧倒的に負けているという点です。

2つ目は、ランキングという点でも、千葉県・茨城県などは、2位から4位の間で団子状態にあるという点です。
2位でも抜きん出た2位ならば、印象も残りますが、毎年入れ替わるような2位では、農業大県というイメージが付きにくいです。
3つ目は、ブランド野菜やブランド果物が少ない点です。
同様に、北海道ならばじゃがいもやとうもろこしなどのイメージがありますが、千葉県や茨城県では、野菜・果物の種類で見ても、あまりイメージが乏しい感じです。
関連して、伝統野菜も少ない点があり、千葉県には、大浦ごぼうという伝統野菜がありますが、数も少なく、認知度もそれほど高くはありません。
すなわち、茨城県や千葉県は、農業大県であるのですが、圧倒的なボリュームの産出額があるわけではなく、ブランド化もされていないため、農業のイメージが乏しいのだと思います。
ここにジレンマがある
この問題は、農業だけではありません。
製造業にしても、大きな工業地帯を抱えていたりと発達しています。しかし、いずれも上位ではあるが、トップではありません。
また、ブランド化されているわけでもなく、文化・伝統という点でも優位性があるわけでもない状態です。例えば、伝統工芸は、他の都道府県に比べ、決して多いとは言えないです。
なぜ、こうなったのか?
理由は単純です。東京という大都市の供給地として、経済・産業が発達してきたからです。
しかし、これでは、東京という都市次第という面が強く、脆弱的な経済構造となっています。また、これからは地域のブランドも要求される時代となるでしょう。
特色はないが、そこそこに良い経済。
これからの時代を考えた場合、ここに大きなジレンマがあると思います。
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