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都知事選から分かる選挙制度の不備


都知事選について

 いろいろな候補が乱立し、都知事選が盛り上がっているようだ。
 正直言えば、都知事選はローカルな話であり、全国ニュースで取り上げるのはどうかなどとも思ったりもしている。また、東京は首都だからという論理もあるようだが、東京以外に住んでいる人にとっては、どうでもいい話だろう。この首都という論理が貫かれれば、東京は何でもありということでであり、一層の東京集中を招くことになる。東京集中と都知事選との関係はないと思われるかもしれないが、各県や市町村が自分の地域のことをPRするために努力しているにもかかわらず、何もしないでPRできているのだから、広告宣伝効果を考えれば、絶大であり、東京集中という論理とも結びつく。
 
 いずれにせよ、今回の舛添氏の問題や都知事選については、いろいろな見方があるだろうが、私は選挙制度の不備を感じて仕方ない。
 

マスコミの問題

 そもそも舛添氏の問題を考えれば、参議院議員時代の問題と都知事時代の問題に分けられる。そして、前者の参議院議員時代の問題は、都知事になる前に、ある程度、分かる話である。もし、参議院時代の問題について、都知事選の前に分かっていたら、都民は舛添氏を都知事には選んでいないだろう。
 この点から考えると、しっかりと都民に情報提供が行われていなかったために、今回の舛添氏の問題につながったともいえる。

 とはいえ、各個人では、そのような情報収集等は限界がある。そして、そのための機関として、マスコミがある。舛添氏の問題で、マスコミが舛添氏を追求する映像がよく流されたが、自己の怠慢でこのような事態を招いたともいえ、かっこいいものではなかった。マスコミが、舛添氏が当選した都知事選前に、しっかりと調査・情報提供していれば、舛添氏の問題は生じなかったはずであり、今回の舛添氏の問題の背景には、マスコミの怠慢がある。
 
 ただ、マスコミに責任を負わすのは難しい。なぜならば、選挙期間が短いためである。都道府県の首長の選挙期間は、17日間。これでは、マスコミがしっかりとチェックしようと思っても、できるはずがない。17日間でマスコミによる調査ができたとしても、住民への周知期間も考えなければならず、更にその期間は短くなる。
 これでは、実務的にあまりにも無理な話である。
 
 情報戦略の手法の一つとして、判断させる時間を短くするという手法がある。情報戦略というと遠い感じだが、営業マンが「今、契約していただければ、優遇しますよ」という言葉は、この戦略の流用である。判断期間を短くすれば、当然ながら、合理的な判断は難しくなり、感情論が強くなる。
 
 都知事について、都民が選んだ人だから、都民にも問題・責任があるという話もあるが、そもそも仕組みとして、合理的な判断ができないような仕組みであり、感情・印象が優先されるような仕組みとなっている。それゆえ、都知事になるには、有名人になるしかなく、逆に、都民としても、感情的に有名人を選ぶしかない。そしてその結果が、ここ20年ぐらいの都知事選の在り方である。


選挙制度改革を!

 私は、もっと選挙期間というものを長くして、選挙民がしっかりと判断できるような仕組みを創出したほうがいいと思っている。アメリカの大統領選挙のように何ヶ月もかけて行う必要はないが、1か月など、もっと選挙期間を長くした方がいい。
 
 立候補者からすると、たいへんになることは間違いない。
 ただ、金銭的には法律的に上限は決まっており、そのままに据え置けば、金銭的には問題はない。立候補者が金銭というリソースを選挙期間中、どのように配分して使うかという判断に過ぎないし、そのような配分をしっかり考えられるような立候補者でなければ、当選してもどうしようもない。

 また、選挙期間が長く、金銭的な上限がある中で、立候補者がPRをしようと思えば、立候補者は地上戦を多く行う必要が生じる。マスコミなどの空中戦は立候補者にとってはコントロールができず、どうしようもない事項である。そのため、立候補者の合理的な行動として、空中戦に力点は置きにくく、金銭的にも余裕がないので、直接、住民に訴えるような手法が多くなるだろう。
 そうなれば、より実際の立候補者を見て、判断できることになる。当然、この判断が正しいかどうかは別の話ではあるが、現在の感情・印象論的な偶像で投票するよりは、ましである。言い方を変えれば、判断が正しいかどうかは別として、立候補者を選ぶというデュープロセスとしては、改善が期待できる。

 選挙期間が長くなれば、公務がある現職にとっては不利な面もあるが、現職は現職で、実績を訴えたり、現職であるが故のパブリシティもあるので、むしろイコールフィッテングとなる。

 先日の舛添氏の問題、そして現在の都知事選の在り方について、問題の1つは、選挙制度にある。
 そして、この選挙制度が改善されない限り、このような問題は続くだろう。







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