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愚策…。本当にひどいプレミアム商品券

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相次ぐ発行されるプレミアム商品券

 ここ最近、多くの自治体で、プレミアム商品券を発行している。
 改めて、プレミアム商品券について説明すると、この商品券を購入すれば、商品券購入額以上に商品を購入できるというものである。例えば、1万円の商品券を購入すれば、20%のプレミアムがつき、1万2千円の商品がこの商品券で購入できる。また、商品券だけではなく、(都道府県などで多いが)観光客向けのプレミアム旅行券なども発行しているところもある。

 多くの自治体でこれらの発行がなされているのは、国の地方創生に伴う地域消費喚起・生活支援型の交付金によるものである。簡単に言えば、国からお金が出たので、多くの自治体でプレミアム商品券を発行しているというわけだ。

 一般的には、20%ぐらいが多いようだが、中に40%のプレミアムがついているようなところもあり、大盤振る舞いである。


混乱や問題など…

 一般の消費者にとってはありがたい話だが、いろいろな混乱や問題が生じているようだ。

 プレミアム商品を発行するに当たり、あまりにも多くの人が集まったりして、自治体としては対応できないというところも出ている。自治体に長蛇の列ができ、住民から苦情がでるという自治体が生じている。

 逆に、プレミアム商品券を発行したのだが、周知されていなかったり、手続きが煩雑で発行額以下の募集しか生じていないようなところもある。

 しかし何よりも問題なのは、転売などといった事態も出ていることだ。オークションサイトなどに出品され、その差額を得ようとする人が出ている。このような事態は本来は問題ないが、税金が投入されていることを考えると、問題だと言わざるを得ない。


本当の問題

 経済効果を考えれば、必ず経済効果はある。
 単純なモデルで、消費性向を0.6(貯蓄性向を0.4)と考えれば、1/0.4で乗数効果は2.5となる。つまり、1万円に対して、2.5万円の経済効果が得られる。過去のこのような政策を考えれば、これほどの乗数効果を得ることはできないが、政府が税金をばら撒いて、金を使えと言うのだから、必ず効果はある。

 しかし、そもそもを考えれば、もし自治体がこのお金を一般財源などの自由に使えるお金であったならば、このような政策をとっただろうか、大いに疑問である。

 かつて、ふるさと創生で地方にお金がばら撒かれた。ひどい使い方をした自治体もあるが、「かつての「ふるさと創生事業」、そんなに悪くはない」で述べたが、自治体はそんなに悪い使い方をしていない。特に、ふるさと創生が行われたバブル期よりも、現在の自治体は財政に関して、かなりシビアなので、もっと真剣に使い方を考えただろう。

 勿論、地域消費喚起・生活支援型の交付金自体は、プレミアム商品券以外の使い道も認めている。しかし限定的で、時間がない中、使えと言うのだから、地方としても、しっかりと考えず、執行するしかない。

 はっきり言って、(私自身は否定的ではないが、一般的に)かつてのふるさと創生以上に、愚策である。そして、国の地方創生は全体として、このような形で進んでいる。

 こんなことをやっているから、地方は疲弊し、衰退するのである。

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