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北海道を見れば、道州制がうまくいかないことが分かる。

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 道州制論議について、知事会や町村会などの反対からストップしていたが、議論が再開しそうである。

ニュース2014年03月17日 産経ニュース
「道州制の議論再開了承 首相「地方の声聞いて」」


 私は、「道州制はやめたほうがいい!」ででも書いたが、道州制には反対だ。

 ただ改めて北海道について調べると、道州制導入はうまくいかないのではと思ってしまう。

 北海道は言うまでもなく大きな面積を有し、道州制が導入されても、1つの「道」として行政単位は変わらないだろう。そして現在、道の施策を運営を考えると、道州制は意味がないものではないかと思ってしまう。


 道州制を考えると、北海道においては、道-町村があり、施策を行えばいい。
 しかし北海道では、平成20年に策定された「ほっかいどう未来創造プラン(新・北海道総合計画)」において、

引用ほっかいどう未来創造プラン(第4章)(抜粋)
北海道は現在、全国に先行して人口減少や高齢化が進んでいます。また、札幌をはじめとする都市部やその周辺地域に人口や都市機能が集中している一方で、他の地域では過疎化が進行し、札幌市及びその周辺地域と道内他地域の間で格差が生じており、その是正に向けた取組が求められています。

引用ほっかいどう未来創造プラン(第4章2)(抜粋)
北海道は、面積が全国の2割を超える広大な土地に、機能の集積した都市や人口が分散して存在する「広域分散型」の地域構造であり、気候風土や歴史文化、産業展開などが異なる特色ある地域からなっています。

という認識のもと、「道央広域連携地域」「道南連携地域」「道北連携地域」「オホーツク連携地域」「十勝連携地域」「釧路・根室連携地域」という6つの地域に分けて、施策を展開することを謳っている。


 また、北海道の地域振興を図るため、「北海道地域振興条例」を定め、道と市町村の中間的な施策として、広域的な計画を定めるものとされている。そして、上記の6つの地域ごとに計画が定められている。

引用北海道地域振興条例
第5条1項 道は、広域的な地域の区分ごとに地域振興を効果的に推進するための計画(以下「地域計画」という。)を策定しなければならない。
 6つの地域といえば、北海道の面積を単純に6で割れば、おおよそ福島県長野県ぐらいの面積である。右のように個々の地域を見ると、「道央広域連携地域」のように大きな都府県はないが、最も小さな「道南連携地域」は群馬県栃木県茨城県ぐらいの大きさである。

 当然、予算にもこれは反映されており、予算においては更に細分化された14ある振興局ごとの振興局独自事業を実施している。

地域 面積
道央広域連携地域 空知、石狩、後志、胆振、日高 22,147㎢
道南連携地域 渡島、檜山 6,566㎢
道北連携地域 上川、留萌、宗谷 18,690㎢
オホーツク連携地域 オホーツク 10,691㎢
十勝連携地域 十勝 10,831㎢
釧路・根室連携地域 釧路、根室 14,532㎢

 これらから分かることは、北海道においては、「道」だけの共通施策だけではなく、更に細分化した広域的な地域ごとの施策が必要ということである。そしてそれは、現在の都府県並みもしくはそれを2・3合わせた程度の地域で行われている。

 つまり、北海道を見れば、道州制で想定しているような「道」と「市町村」という仕組みでは、現実の施策では対応できないということが分かるのである。
 そして結局、道州制を導入しても、現在の都道府県やせいぜい2・3都府県を合わせた地域で、独自の施策を行っていかなければ、地域振興を図ることはできないということを示しているということだ。

 道州制には様々な問題はあると思うが、この例を見ると、道州制が導入されれば、国-都道府県-市町村という3重の多重な施策が行われるにとどまらず、国-道州-広域地域-市町村という4重の仕組みが導入されることにもなるだろう。

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