ステンレスパイプ加工会社が水道用配管の新工場を建設するというニュースを見つけた。
水道管の多くは鋳鉄管であるが、ステンレス製の配管で、その代替需要を見込んでいるという。
水道管もインフラである以上、老朽化する。特に、鋳鉄管の場合には老朽化すると、錆びて赤水が出たり、漏水の原因となる。
しかし、老朽化対策が進んでいるかといえば、そうでもない。例えば、下記のニュースは、特に関西では老朽化が問題だというものである。
外部リンク2013/04/09 産経ニュース「水道管の老朽化、関西は財政難で特に深刻…“寿命”は40年」
このように、水道管の老朽化は深刻な問題であるのだが、よく分からないのが、国のビジョンである。
思えば今でこそ、公共インフラの老朽化が問題となっているが、平成16年の厚生労働省の水道ビジョンでは、参考資料で推計が行われ、水道管の老朽化や更新投資の必要性がしっかりと掲載されていた。
外部リンク厚生労働省「水道ビジョン」(平成16年)
ところが、今年改訂された水道ビジョンでは、その記載があまりない状態である。むしろ「鉛製給水管の布設替えについては、鈍化の傾向にありますが、全体としては進展しつつあります」という一文も入っている。
その代り、クローズアップしているのが、耐震化や災害対策である。
外部リンク厚生労働省「新水道ビジョン」(平成25年)
勿論、耐震化や災害対策は重要であるのは間違いないが、論点をしっかりと説明していないような感じである。
厚生労働省としては耐震化が行われれば、同時に更新もなされるので、問題はないという認識なのかもしれない。また、老朽化対策というよりは、耐震化などといったほうが、国土強靭化法案などもあることから、予算が確保しやすいという面もあるのだろう。
しかし、問題の論点をずらしてはいけないと思う。
耐震化対策も重要だが、老朽化対策は日々口に入るのものなので、一層喫緊の問題であると思う。
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