思えば、日本は先進国ですが、地方は後進国である、つくづくこのことに実感しています。
改めて、地方は後進国であると認識しよう
ここ数年、地域資源などといった言葉が言われています。
地域に特有の物や自然などを地域の資源としてとらえ、それを活用することで地域の活性化につなげようという考えです。
これはこれで素晴らしいと思うが、いつのまにか地方は後進国になってしまったようです。
経済発展論を考えたとき、発展途上国が外貨を稼ぐ手段としては、その国特有の工芸品・おみやげ品であったり、農産品や観光などです。
発展途上国は、そのようなものを販売して獲得した外貨を使い、輸入を行う。そして、輸入が大きくなり国内需要が高まると、その輸入品について、国内生産が始まり、その国の新たな産業となっていきます。
このように経済発展論において、経済発展前の状態では地域の産品販売や観光などが、主要な産業です。このことと地域資源といった概念を合わせると、地方はいつのまにか経済発展前の状態になってしまったように感じます。
いや、本当のことを言えば、以前から地方は経済発展をしていなかったのでしょう。
日本経済の発展に伴い地域格差も出てきましたが、日本列島改造論などのように、地方はトリクルダウン(国が豊かになると、都会だけでなく地域まで徐々に豊かになっていくこと)を期待しました。
また意識としても、日本経済の発展に幻惑されて、地方もいつのまにか先進国になったような気がしていたのでしょう。
しかしいずれにせよ、地方は後進国です。
地方ではそのような認識をもっていなかったり、地方は取り残されたと考えている場合が多いと思います。
まずは、地方は後進国であるという認識を改めて持ち、後進国がとりうる経済施策・戦略を考えることが重要です。
(注)
「後進国」という言葉は、差別的であるといった理由などで使われなくなり、現在は「発展途上国」というのが一般的です。ただ地方が発展するというイメージを持てない以上、あえて後進国という言葉を使っています。
ならばどうしたらいいのか
経済発展を起こす上で、後進国として重要な施策・戦略は、次の2つです。
- 幼稚産業保護論
- 政府主導型経済
まず、幼稚産業保護論は、弱い産業については規制・関税などをかけて、その産業を守り、十分な産業規模になったら規制などを撤廃するというものです。
次に、政府主導型経済とは、経済発展をしている国は、どのような国であれ、政府が民間企業の経済活動を主導しています。
官営企業は勿論、政府が企業をコントロールする規制があったりします。「開発独裁」という言葉がありますが、経済発展においては、ある種の独裁性が伴うものです。
日本全体で考えると、遅れた戦略であり、ある種の未成熟性を表しています。
しかし地方は後進国である以上、このような戦略を改めて考えるべきだとも思います。
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